「スーパーヒーロー大戦GP」のよくわかんないとこQ&A

ついに公開されましたね、「スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号」。

一部ではなにかと悪名高い「スーパーヒーロー大戦」シリーズ。

今回は楽しめる部分も少なくなかったと個人的には思います。

ただ、疑問符の浮かぶところも多々ありました。

 

しかし、それだけでこの作品をダメだと決めつけてしまうのは勿体ない。

何より、面白くしようと真剣にがんばってくださっただろう監督やスタッフ、

キャストのみなさんに申し訳ない。

というわけで、ファンの立場なりに、この作品の疑問符を補完・解消してみたい。

そんな自己満足をQ&A形式でまとめたものが、このエントリーになります。

 

基本的に、「映画を鑑賞済みの方」の疑問符を対象にした内容につき完全ネタバレです。

まず映画をご覧になって、そこで疑問符が発生した場合に、よろしければまたいらしてください。

 

また、今後も項目の追加、加筆していきたいと思いますので、

「これについてはどうなの」ということがあれば気軽に質問してみてください。

納得していただけるかは別として、私なりの回答をさせていただきます。

 

 

 

 

 

 

 

<ネタバレ対策のスペースです>

 

 

 

 

 

 

 

 

<スクロールしてね>

 

 

 

 

 

 

 

 

<そして目次> 

Q.ショッカー側の昭和ライダー弱すぎだろDISってんの!?

Q.電王は特異点だから時間改変の影響受けないはずでは?

Q.光太郎は何がどうしてRXになったの?

Q.ブレイド組の扱いひどくないですか?

Q.ディケイド……。

 

Q.ショッカー側の昭和ライダー弱すぎだろDISってんの!?

A.いいえ、彼らは仮面ライダーにあらず、ショッカーに「再改造」を施されたショッカーライダーです。
どんなに歴戦の昭和ライダーの強靭なボディを持っていようとも、正義の心どころか自らの意思さえ持たない操り人形の彼らが、本来の強さを発揮することはありません。

むしろ当然のことと思ってもいいでしょう。

 

Q.電王は特異点だから時間改変の影響受けないはずでは?

A.確かに、時間改変による影響は受けなかった可能性が高いです。
ゼロノス同様に時間改変の原因を追う中で、何者か(おそらくは3号)によって倒され、ショッカーによる「再改造」を受けたのでしょう。

この時点で特異点としての特性を失ってしまったのではないかと思われます。
1号2号の復活によって「再改造」は解除されましたが、この現象はおそらく歴史改変を部分的に無効化したものと考えられます。

これだけでは、洗脳を戻すことはできても、特異点でなくなったものを再び完全な特異点に戻すような大きな変化には至らなかったものと推測されます。

それゆえに、歴史改変ビームに耐えることもできなかったのでしょう。

 

Q.光太郎は何がどうしてRXになったの?

A.ふしぎなことが起こったからです。
と言ってしまえばそこまでですが、あの世界では、倒されたライダーがショッカーライダーとして再改造されることは周知ですね。

それは光太郎も例外ではなく、意識を失ったまま戦闘員たちによってショッカーのアジト、再改造施設へと運び込まれたことでしょう。

あわや再改造が完了し、最強のショッカーライダーが誕生する──世界に、歴史の改変がさらに深く刻まれようとした、そのとき。

「そこまでだ」
静かに、しかし力強い制止の声を放ったのは、白衣をまとったショッカー科学者の一人。
いや、科学者はその場に糸の切れた操り人形のようにくずおれる。背後に立つのは、手刀を振り上げた黒いジャケット姿の男。

「イー!なにやつ!」
戦闘員たちが統率された動きで瞬時に男を包囲する。年のころは光太郎とそう変わらない壮年の男だ。

ただ、野性味ほとばしる光太郎よりはいくらか穏やかな顔立ちに、翳りのある表情が浮かぶ。
「すまんが、その男は返してもらう」
静かな声に込められた、有無を言わさぬ威圧感に、戦闘員たちはなぜか動くことができない。

本能的な「格の違い」とでも言うべきものが、彼らの全身を鉄鎖のようにからめとっていた。
「バカめ!何者かは知らんが、たった一人で何ができる!」
そこに響く濁声が、戦闘員たちの呪縛を解く。

異変に気づき施術室に駆け付けた、怪人チーターカタツムリである。

「何をしている!たかが人間など、早くやってしまえ!」
さらに数体の怪人が続いて部屋になだれこみ、戦闘員たちはじりじりと包囲を狭めた。
しかし男は静かな気配をまとったまま、両足を開き、左手をすっと前方に伸ばす。
「たかが人間、か」
力を蓄えるように身をかがめつつ、両の拳をぎりぎりと握りしめる。
「まさか、きさま!いやそんなはずはない、ライダーの存在は全て我らショッカーが把握している!」
そんなチーターカタツムリの言葉を遮ったのは。
限界まで引きしぼられた弓の弦が、矢を解き放つかのように。

屈めた身を起こした男が、目の前の空間を何度も切り裂くように両腕を交錯させて叫んだ言葉。
「──変身ッ!」
腰に現出するベルト、全身を包む光。
仮面ライダー、SHADOW!」
男の姿は変じていた。BLACKと双子のように相似した、しかし白銀のボディにエメラルドの複眼を持つ、見たこともない仮面ライダーに。

仮面ライダーシャドー、だと!?そんな名前の仮面ライダーは存在しないはず!」
「当然だ。俺は、改変されたこの偽りの歴史の歪みによって生まれた、影の仮面ライダー
南光太郎仮面ライダーに改造した暗黒結社ゴルゴムは、改変された歴史ではショッカーによって併合されている。その中で、本来の仮面ライダーBLACKの戦いの歴史にも歪みが生まれた。

──光太郎の親友である秋月信彦は、脳改造を受けることなく、

正義の心を宿した白銀の戦士「仮面ライダーSHADOW」となったのだ。
だが、彼は決して光太郎の前に、それどころかあらゆる表舞台に現れることはなかった。

人知れず、その名の通りに影となってショッカーと戦ってきたのだ。
「ええい、なんでもいい!お前も再改造してショッカーライダーにしてやる!やれ!!」
再びチーターカタツムリの濁声が響く。しかし、戦闘員たちは動かない。

それどころか、怯えたように後退り、一人またひとりと逃走をはじめたではないか。
いや、戦闘員だけではない。怪人たちの一部も、恐怖が伝染したようにその場に硬直している。
それは、歴史の改変を突き破ってさえ雑兵たちの魂を震わせる、地獄の王子の圧倒的なカリスマ。
「役立たずどもめ!敵前逃亡は死刑だ!」
逃げる戦闘員を背後から斬り捨てつつ、チーターカタツムリは叫ぶ。

弾かれたように、残りの怪人たちは次々とSHADOWに襲いかかった。

そのとき、SHADOWの手から紅い刃が閃く。王の剣、サタンサーベル。
怪人たちは折り重なるように倒れ、同時に光太郎を拘束していた枷も、火花を散らして破壊される。
SHADOWは力ない親友の体を抱き起こすと、高らかに叫んだ。
「来い!バトルホッパー!」
すると、どこからか地鳴りのように響くエンジン音。そして分厚いコンクリの壁を粉砕し、その鮮やかな緑の車体は現れた。バイク型生命体バトルホッパー南光太郎のもう一人の親友。

「頼んだぞ」
その背に親友を預け。
「餞別だ、光太郎」
ベルトに両の手を添えて、放つ渾身の叫びは。
「シャドォォォ、フラッシュ!」
SHADOWのベルトから放たれたもうひとつのキングストーン、月の石の放つ神秘的な碧の光が、光太郎の腰のベルトへと吸い込まれていく。その余波だけで周囲の怪人たちは怯み、何もできない。

やがて全ての光を絞り出したように、SHADOWの姿は、変身前の信彦へと戻っていた。

──そのとき、不思議なことが起こった。

光太郎のベルトの形状が、変化したのだ。まるでもう一つのキングストーンの力を取り込んだかのように二つの発光部が並ぶ、ダブルタイフーン型に。

言うまでもない。正しい歴史で、仮面ライダーBLACK RXの腰に輝いていた奇跡のベルト、サンライザーである。

「さあ行け、バトルホッパー!」
満足気に頷くと、信彦はバトルホッパーのテールを優しく叩いた。

心もつバイクはそれに答えるようにエンジン音を響かせると、走りだす。
「光太郎、お前は優しいやつだ。今の俺の存在を知れば、歴史を正すための戦いに迷いが生じるだろう」
生身のまま、シャドーフラッシュの余波から脱した怪人たちの攻撃をサタンサーベルで受け止めつつ、信彦は独白する。

それこそ、彼が影の仮面ライダーとして孤独に戦ってきた理由。

走り去る親友の姿を見送る彼の表情は、群がる敵中にあってもなお、晴れやかだった。

 

<完>

 

と、そんなことがあったかどうかはわかりませんが。
描かれていない部分を、そんなふうに妄想してみるのもまた、楽しいものです。


Q.ブレイド組の扱いなんなの?
A.登場時、4人共すでに再改造を受けたショッカーライダーです。
でなければ、あのような卑劣な行動をとるはずがない。

それなのに強いんだから、すごいですよね。
まあ、橘さんならやりかねませんが。
それを彼らは、自らの強靭な意志で退けた。
共に戦った4人が揃っていたからこそ成し得た奇跡でしょう。
そう考えると更にすごいじゃないですか。

まあ、オリジナルキャストなんだからもうちょっと活躍して欲しかったというのはわかりますが……、

そこはほら、やっぱり橘さんですし……。

 

このように、「○○が○○するわけがない」と思った時は、隠された事実があるものです。
脚本家の意図などというものはいっさい関係ありません。
ファンのほうが、そのへんの下手な脚本家よりも、ヒーローのことを理解しているのですから、

こっちのほうが正しいに決まっています。
これはスーパーヒーロー大戦シリーズを読み解く上ではとても重要なことです。

(もちろん、その他の作品においてはこの限りではありません)

 

Q.ディケイド……。
A.ディケイド……。